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リケーブル各種(AKバランス含む)

WAGNUS.フラッグシップケーブル「Sieve Sheep」序章。

最高のケーブル。

それを求めたのは約5年前。僕が出会った一つのワイヤーからそれが誕生するまでに時間は掛かりませんでした。「1950年代のドイツの軍用線材が出てきたので買わないか?」という僕のドイツの入手ルートの友人から連絡があり写真が送られてきたその線材は、シルクに覆われた滑らかに輝く60芯銅線でした。

それを見た僕は直感的に「ついに出会った・・」と思ったのです。これがきっと運命の線材だ、と。

そして僕はサウンドも聴かずに大きなお金を叩いてこの友人より全てこのワイヤーを買い付けました。そして手元に届いて触っても、もはやモノが違う・・という感覚は消えませんでした。

その滑らかなシルク被膜の触り心地とワイヤーの質感と質量。これはやはり何かが違う・・。そう感じずにはいられませんでした。

それからすぐに実験を行いました。まずはRCAケーブルを作り、サウンドを確認。・・ヤバイ。すごい。そのケーブルを繋いだ僕のサウンドシステムは今までとは別次元のサウンドを奏でていました。

しかし、でもこれで完璧じゃない。僕の目指すサウンドはこれじゃない。そう感じました。

僕の中で一つ目指しているサウンドというものがありました。僕はマスタリングエンジニア業をしており、スタジオを有しているのですが、そこの機材で僕の人生観を変えるようなマスタリング用機材との出会いがありました。それはMX10というアメリカのAmpex社が作った2chミキサー件4chマイクプリアンプ。それを弊社WAGNUS.のポータブルアンプ「Bialbero Epsilon S」や真空管バッファー「Alpha Valvola」でもお馴染みのToneflakeシュガーさんがカスタムした固体を知り合いより紹介され、スタジオに導入したのですが、このMX10はとにかく音を通すだけで真空管とオーディオトランスの超絶に美しい艶やかさと芳醇且つ解像度の高いサウンドがあまりにナチュラルに付加される素晴らしい機材でした。

http://www.digimart.net/cat18/shop28/DS02218137/

http://wagnus.exblog.jp/11446052/


この時・・そうか・・アナログとしてのナチュラルで音楽的。そういう音こそがアナログな生命であり自然と調和することを遺伝子的に求める人の心に響き、理屈抜きで心揺れるのだなぁと感動をしたのでした。

そして僕の目指すサウンドもそこに行き着きついたのです。

そこで、この運命的な線材を自分の目指す「ナチュラルで音楽的で心に響くサウンド」を実現すべく実験を繰り返しました。そもそもこの線材は非常に端末処理が難しい構造をしていました。それをいかに完璧な状態で使うか、というのに苦心しました。それから線材の撚り合わせ方、使う部材のメッキやメーカー、ハンダの種類などを選別していき、とある特殊な方法で、ついに到達することが叶いました。。

その出来上がったサウンドはまさにナチュラルで音楽的を実現でき、理屈抜きで心に響き、何を聴いても感動をしました。

このケーブルをその時にふるいにかけられた羊という意味の「Sieve Sheep」と名付けました。僕は牡羊座で昔から羊が好きでして・・WAGNUS.発足時のロゴマークも羊の角をモチーフにしたものを使っていたのが由来です。

それから元来の目的でもあったのですが、このケーブルをマスタリングスタジオの最終段のバランスケーブルとして使うことで「通すだけで最高」というものを作ろうということで開発を進めていきました。このケーブルはスタジオのバランスケーブルとして更に本領を発揮しました。

それから多くの信用ある音楽プロデューサー、エンジニアの方にブラインド試聴などをしていただきましたが、最高の賛辞をいただきました。そしてコッソリとブログで販売をした折りには著名なアーティストのプロデューサー兼作曲家さんにご購入いただき、大変お気に入りいただきリピートをいただいたりなどもしました。この時、ある一つのケーブルにおける到達点を、自分の中で迎えました。

そしてアメリカの最高峰マスタリングスタジオとして君臨するスターリングサウンドのテッド・ジャンセン氏に寄贈するに至りました。

http://wagnus.exblog.jp/14409708/

他エピソードはこちら。
http://wagnus.exblog.jp/13733542/


その後にSieve Sheepは正直あまり無闇に作りたくなかったんですね。なんせこのワイヤーが無くなってしまったら作れなくなるので・・。スタジオ用のXLRバランスケーブルとして使うと、たくさんの量の線材を使う必要があった為。

そしてポータブルオーディオブームが到来したこともあり、僕はこの技術やサウンドをポータブルの世界にドロップしようと、ミニミニケーブルやiPod Dockケーブルを開発しました。それが現在となっては弊社のポータブルケーブルのベストセラーの「Baby Sheep」。
http://wagnus.exblog.jp/17211456/

長さ的に短いので完璧とはいえないまでも、Sieve Sheepの特徴を濃く受け継いだBaby Sheepは非常に多くの本数を制作させていただきました。

そのこともあり、多くのお客様より同線材でイヤホン用ケーブルを開発してほしい、というご要望が寄せられるようになりました。

それから、試しにリケーブルの開発をを行いました。
・・やばい、なんじゃこれは・・。最高すぎる。。

僕は展示会のときにたまに参考展示して、こっそりいらっしゃる方々にお聴きいただきました。皆一様に「なんですかこれは凄いですね」と言っていただきました。そして更にご要望は高まる。

うーん・・悩む。リケーブルとして使うと1本辺り6mくらい使うことになるので、とんでもない数が無くなっていくのです。そしてこのケーブルは非常にレアで2度と手に入らず、また高額でしたので、販売するにしても超高価となってしまうので躊躇しました。

ですが、数名の方や実は海外のお客様より引き手が多くあり、こうなったら腹をくくって限定30本くらいだけ販売しようかな、と決意しました・・!

ところがいざ作ってみると、困ったことに、なんとこのワイヤーはスプール(10m束)によって音が異なるんですね・・(笑) 基盤となるサウンドは同じなのですが、どれもちょっと違うという罠。 これは本当に困りました。仕方が無いので束ごとにサウンドチェックです。これがまためちゃくちゃ大変な作業なのですが、そういった選別を行わないと納得がいきませんでしたので、意地で選別を行っています。このケーブルにはプライドがあります。

そんなこんなで「Sieve Sheep」は最高のサウンドを一つ一つ丁寧に実現させていくつもりです。正直高額となりますが、お求めいただくお客様に人生の財産となるものを御提供できればと思っておりますので、宜しくどうぞお願い申し上げます。

このケーブルも2/14のバレンタインデイに発売です。

詳細はまた後日。

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by wagnus. | 2015-02-07 12:00 | リケーブル各種(AKバランス含む) | Comments(0)

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