Frosty
Sheepを開発した経緯の一番の理由は「今までのキャリアを投影し自分の思い描いていた最高の構造でケーブルを作ってみよう」というものでした。
目指した音質としては、圧倒的な分離感、ハイレゾミュージックも再生できるワイドレンジさ、アナログらしい柔らかい音質、一つ一つの音の説得力、コシのある中低音、完璧な位相特性、静電への強さ、フラットにロスのない周波数特性、不足ないパワフルさ、しなやかな取り回し、スピードレスポンスの良さなどなど。
今までマスタリングスタジオ用の10Mルビジウムマスタークロック専用75オームケーブル「eRuby Pro」を設計開発し、数々のスタジオで「最高」という声をいただいてきましたが、そういった最高といえるケーブルをワイヤーレベルから再度開発し、プロオーディオ、コンシューマオーディオの両面から高音質をお届けすることが今回の狙いでした。
なので、今回発売したFrosty Sheepの線材はイヤホンケーブルですが、応用をすることでプロオーディオ用のマイクケーブルやラインケーブルや機材内部配線材などにも使えます。どこに使ってもパーフェクトなものに仕上げています。
何がこのケーブルの一番すごいところかというと、1本の線に対して60本の細い線が入っており、それら全てが絶縁されており、この60本全てに電気信号が流れます。
今まで弊社のフラグシップケーブルといえばSieve Sheepという1950年代のドイツの特別なワイヤーをベースに製造した理想的なアナログサウンドを実現したケーブルでした。しかしより現代的にも理想とできるようなケーブルを作ろうと、同じようなマテリアルで世界各国のケーブル製造メーカーに依頼をしたのですが、1本あたり0.07mm×60という構造での製造は不可能だという返答が返ってきました。そのため、1本あたり0.08mm×60という構造により製造することで、線経を太くし、よりサウンドにパワー感を持たせた仕様で製造することになりました。また国外では非常に厳しい製造構造であるため、信頼できる国内のケーブルメーカーに発注し、線材の仕様を厳しい選定基準で製造を行いました。
そして、この1本1本の線自体も究極といえる高純度なOFC-CLASS Aをベースに純銀メッキを施した隙のない構造となっており、純度だけを稼いだ銅線を凌駕する電気の金属抵抗を減らした構造となっています。
そのため、電気信号のロスを究極レベルで減らしつつ、この60本構造からなる表皮効果により線材の太さからは考えられないほどのパワー感と解像度とアナログ感あるサウンドを奏でます。
さらに静電容量が人工物最高のePTFEを超える天然シルク2重巻きを使うことで、外部静電的にも強く、しなやかで、見た目にも美しい仕上がりとなっています。
余談ですが、どうしてもハイエンドなケーブルは、プラグに高価な金属メッキのものを使いたがる傾向にありますが、電気電送においての金属抵抗として例えば白金系のロジウムやパラジウムやプラチナなどの素材は抵抗が強く、本来の電気電送を満たさなく、周波数バランスを大きく崩してしまうものが多いのが現状です。そのために、金属抵抗として銀と銅の次に良い、良質な金メッキ処理のされている信頼のおけるプラグを弊社では採用しています。(XLRバランスなどでは銀メッキなどを使います)
また、半田の素材や技術はモロに音に影響します。半田には信頼の高品質なプロ用半田で温度管理もしっかりとしつつベストな状態で長年の技術で行います。0コンマ数秒でも半田コテの当て具合でも音には影響してしまうので、毎回神経を注いで製造をしています。
魂を込めてイチから作り上げた新フラグシップケーブル、Frosty Sheep。沢山の方々に体感して頂けたら嬉しいです。