ぼくは雷に撃たれたようにいっしゅんでヤラレタ。
そのおとはあまりに衝撃的だった。
それから僕は仕事に没頭した。
おかねをためるために。
ほとんど寝ずにお仕事。
そして何度も熱意をお伝えし
ついに購入させていただきました・・
それが僕と、この機材との出会いでした。
SIEMENS AUSO TELECOMUNICAZIONI Ela75-06b custom by.Toneflake

これは60年代のSIEMENS AUSO TELECOMUNICAZIONIという、イタリア国営放送局等に納入されたイタリアンジーメンスのヴィンテージマスタリングイコライザーで、フルゲルマニウムトランジスターのフルディスクリード回路という構成です!
そして、そのモジュール部の設計は、あのNEVE BM10等のコンソールを凌ぐとさえ云われている、究極のコンソール「HELIOS」の設計者DICK SWETTENHAMという、凄い逸品です。(WAGNUS.ではそのHELIOSのコンソールを所有しています)
しかも、ライン入力トランスにはNEVEのMARINAIRを凌ぐと云われるドイツ・SIEMENS社のブルーのインプットトランスが搭載されているすごいヤツです。しかし、回路的に入力はバランス入力なのですが、アウトプットはアンバランスという構成だった為、カスタムでアウトプットトランスになんとMARINAIRを搭載しバランス化!
この技法が、ものすごく大変らしく、これをちゃんと行えていての同機種のモジュールはVintage King Audioから数台だされたものだけだったそうです。ですが、Vintage KingではアウトプットトランスにMARINAIRは当然積んでいないので(贅沢すぎるから)、この一台のみ、その最強ともいえる構成が実現されていたりします!
そしてそれをカスタムされたのが日本のゴッドハンド、Toneflakeの佐藤俊雄氏です。
佐藤さんは、現在M.I.Dで発売されている、Chameleon labのカスタムバージョンを手がけていたり、それ以外でも最強のマイクToneflake Tシリーズや、AVALON社やLAVRY社や数々のメーカーとの強い繋がりがあることで知られている、カスタムエンジニア・マスタリングエンジニア・レコーディングエンジニアであり、ミュージシャンでもある、マルチプレーヤー。
そのToneflakeが総力を注いで製作されたのが、
このSIEMENS Ela75-06b custom。
もう、このイコライザーは、ほんと究極です・・・。
このEQを始めて佐藤さんの工房で聴かせていただいた時、僕はもう驚愕シタ。
え?!コレ本当にイコライザーなの?!
っていうくらいに、ウルトラナチュラルに周波数帯域が持ち上がる。今までのイコライザーの概念を、思いっきりブチ壊された瞬間でした。
それでいて、とても音楽的且つ倍音豊かに美味しい帯域が持ち上がるし、音の質感が・・・もう最高〜に艶やかでゲルマニウムトランジスタらしい、心地良い歪みを付加する特徴を持ち合わせていて、野太いローエンドが素晴らしくて、でも高域もオープンで綺麗で立体的で・・・・という、コレゾ究極のサウンド。
また、ヴィンテージイコライザーといっても古くさいサウンドでは全くなく、とても味がありつつハイファイなサウンドメイクも可能なのが素晴らしいところです。
EQの幅はBASSI(低域)のシェルビングとALTI(高域)のシェルビングがあり、これをクリック式で、低域を+15dbまで、−20dbまで、高域を+15dbまで、低域を−25dbまで可変可能。そして中域も同じくクリック式で、PRESENZA(プレゼンス)を周波数ごとに0.7khz/1khz/1.5khz/2.3khz/3.5khzと指定して、それを+8dbまで持ち上げれる仕様となっています。クリック式のため、当然位相ズレもなく、完璧なマスタリングEQとして使うことができます。

しかも、ノンEQで通すだけでも、そのファットでウォームな質感は加味されるので、まるでサミングアンプのような使い方もできる超絶な逸品です。
このサウンドは、NEVE系のサウンドやHELIOSとも違う、この機種独自のサウンドです。
さらに、「バイパスはリレーによる完全バイパスなので、この機材を繋いだまま電源を落としてもそのままフルバランスで出力します」とのことで、電源オフっていても綺麗に音が流れるとい省エネ設計が素敵です。笑
WAGNUS.studioでは、マスタリングのご依頼の際、このEQでの処理も承っております。詳しくは音楽マスタリングの料金表をご参照くださいませ。(http://wagnus.exblog.jp/i16/)
また、次回は他の機材を紹介したいと思います。



